お墓参りの文化
故人のためにお墓をつくることはただ生きた証を形にして残すだけではなく、お参りできる場所を設けるという意味もあります。
仏教では「お参りすることにより先祖や故人のありがたみを感じることで今の自分たちの生活を一生懸命にする」というお釈迦様の教えがあります。
お墓参りは故人に会いにいくと同時に日々の生活の再確認の機会ともなり得るものなのかもしれません。
お供えについて
お花をあげる
花は厳しい自然環境に耐え、太陽や雨、土の栄養分などの自然の力を得ながらゆっくり成長しきれいな花を咲かせます。
咲いた花は枯れ落ちるまで風雨に耐え、いずれ花は落ちますが根っこがしっかりしていればまた花を咲かせます。
そのような姿は私たちに通じるものがあり、仏教における修行の誓いとして花を供えてきたといわれています。
お線香をあげる
お線香に火をともすと煙と清らかな香りを発します。
天に立ちのぼる煙や香りはあなたの存在をしめし、願いや想いを仏様や故人に届けてくれるとされています。
お線香をあげることは身と心を清め、仏様や故人と対話をするとも言えます。
また、仏教において、お香の香りは故人にとっての食べ物であると考えられています。
お水をあげる
お水やお茶をお供えすることを仏教では「浄水」といい、仏様の清らかな心に自分たちも洗われたいとの願いを込めて供えるものといわれています
お墓にきれいなお水を供えるのは「心を清める」という意味があります。
食べ物をあげる
食べ物をお供えする理由は、私たちは日々、食べ物をいただき生かされているということに感謝するという意味があります。
お墓では故人が好きだったお菓子や飲み物を供えることが多いですが、すぐに痛みお墓も汚れますので必ず持ち帰るようにしましょう。
火を灯す
お墓ではロウソクや灯篭に火を灯すことがあります。
これはお線香に火をつけるためではなく、不浄なものや穢れを祓い、浄めるためです。
仏教では「灯明」といい、闇を照らす智慧の光の意味があるため、供養の中でも大切なものと言われています。